リッツの過去 その8
私も共に「クマ」と飢えればよかったのです。
そうすれば、母はもっとちゃんと見てくれた事でしょう。
しかし、私は中学校での生活が楽しくなってしまったのです。
「クマ」から目をそらしてしまったのです。
その結果、「クマ」を見殺しにしてしまったようなものでした。
母が渡してくれた「クマ」の首輪と鎖。
「クマ」を奴隷のように縛っていたモノに見えて、涙が止まりませんでした。
家の軒下にひっそりと埋めました。
何も言わず私の孤独を癒してくれた相棒を見殺しにした、私の罪は消えません。
そして、一生「クマ」に懺悔をし続ける事を、その時決めたのでした。
リッツ「ワタシを、軽蔑するよね・・・・・。」
安西氏「いや・・・・、立場が同じだったら俺だって同じ事をしたかもしれない。
誰かが悪いんじゃないと思う。
リッツの母ちゃんだって悪くない。
自分に必死のときは、誰だって自分以外の事は見えないよ。
リッツを頭ごなしに責める資格は誰も持たないと思う。
リッツがたまに、夜、謝りながらうなされてるのって、クマの事やったんやな。」
リッツ「うん・・・・。 そう。」
コメント